02業務の選び方

経審と関与先で、経営を安定させる

渡邉 徳人津田 拓也齋藤 史洋執筆現役の行政書士3人最終更新日読む時間約3分

公共工事を受ける建設会社は、毎年、経営事項審査(経審)を受けます。経審を任せていただく関与先が増えるほど、事務所の売上は年々積み上がっていきます。運営者の事務所が経審に軸足を移した理由と、その考え方をまとめました。

Key pointsこの記事の要点

  • 建設業許可から経審・入札参加資格へと続くお付き合いは、1社10年で200万円をこえることもある
  • 関与先30社が、仕事が途切れにくくなり紹介が生まれ始める最初の目標
  • ネットで増やすなら、続く業務の大きさから、1社あたりに使える費用を逆算する
  • 経審は期限の管理が要。改正と業際に気をつけ、評点の約束はしない

1社との10年のお付き合いを計算してみる

建設業許可を取って、経審を受ける会社とのお付き合いを、10年続いた場合で計算してみます(報酬は運営者の事務所の以前の料金をもとにした例です)。

業務報酬の例10年での回数10年の合計
建設業許可(新規・知事・法人)17万円1回17万円
決算変更届3万円毎年10回30万円
経営事項審査15万円毎年10回150万円
入札参加資格(1自治体)3万円2年ごと5回15万円
更新5万円5年ごと2回10万円
合計222万円

建設業界は、法人化、業種の追加、役員や技術者の入れ替わりが多く、変更の届出もたびたびあります。それを含めると、10年で250万円ほどになることもあります。最初のご依頼は17万円でも、お付き合いが続けば、その10倍以上の価値があるということです。

関与先で、倒産したり、契約を切られたりした会社はほとんどありません。ホームページから毎月1〜2社、紹介から毎月1〜2社と、急に増えるわけではありませんが、少しずつ確実に関与先が増えていきます。経審をしっかり増やしていくことは、事務所の経営を安定させるうえで欠かせないと考えています。

運営者 渡邉

まずは関与先30社を目指す

運営者の経験では、継続してお付き合いのある会社が30社ほどになると、仕事が途切れにくくなり、関与先からの紹介も生まれ始めます。開業してからの最初の目標として、ちょうどよい数字です。

増やし方は、大きく2つです。

  • アナログで増やす:経営者の集まる会や勉強会に顔を出し、名刺交換や紹介で広げます。人付き合いが好きで、時間が取れる方に向いています。
  • ネットで増やす:専門のページ(ランディングページ)と広告で、探している会社に見つけてもらいます。

ネットで増やす場合の費用のめやすです(以前の運営者の試算)。

項目めやす
専門のページの制作30万円ほど
広告のクリック単価100円ほど(人気の業務の言葉では、さらに高くなることも)
お問い合わせになる割合ページを見た人の1%ほど → お問い合わせ1件に1万円ほど
1社のご依頼に結びつく費用お問い合わせの成約の割合によるが、10万円ほど
30社を増やす費用ページの制作と広告で、300万円ほど

大きな金額に見えますが、1社との10年のお付き合いが200万円をこえるなら、1社10万円の獲得費用は十分に回収できます。どこまで投資するかは、続く業務の大きさから逆算して考えます。

経審の実務で気をつけること

  • 期限の管理が仕事の要:経審の結果の有効期間は、審査基準日(決算日)から1年7か月です。決算から申請までが遅れると、公共工事の契約ができない期間が生まれてしまいます。決算変更届・経営状況分析・経審・入札参加資格の順番と期限を、会社ごとに管理します。
  • 様式と審査の項目は改正が多い:社会性等の審査項目の見直しや、令和8年7月の申請分からの様式の変更など、改正が続いています。都道府県の手引きを毎年確かめます。
  • 書類のそろえ方は、会社ごとに昨年からの続き:技術職員や工事の実績、保険の加入の状況など、昨年の申請の控えから変わったところを中心に確認すると、お客様の手間を減らせます。
  • 評点の約束はしない:評点は会社の決算の内容や技術職員などで決まります。事務所が評点を上げることを約束したり、決算の内容に踏み込んだ助言をしたりすることは避け、決算書の作成は税理士の業務であることを守ります。

※制度や手数料などは変わることがあります。手続きの最新の内容は、各機関の公式の情報でご確認ください。

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