介護・福祉の分野
高齢化が進むなか、介護・福祉の事業を始める方は今も多くいます。運営者の齋藤は、介護の分野の起業支援を手がけ、デイサービスの開業の本も書きました。この分野で行政書士が担える役割と、取り組むときの心構えをまとめます。
Key pointsこの記事の要点
- 介護の事業の開業は、法人の設立・指定申請・開業後の届出と、行政書士が担える手続きが多い
- 開業後も届出や6年ごとの更新が続き、顧問のお付き合いにつながりやすい
- 人員・設備・運営の基準と、3年ごとの報酬の改定を深く理解することが欠かせない
- 物件を決める前の相談、開業の日からの逆算、他士業との連携で喜ばれる
開業の支援で行政書士が担うこと
介護保険の事業を始めるには、法人を作り、都道府県や市町村から事業所の指定を受ける必要があります。開業までの流れの中で、行政書士は次のような手続きを担えます。
| 段階 | 主な手続き | 行政書士の役割 |
|---|---|---|
| 法人を作る | 株式会社・合同会社・一般社団法人・NPO法人などの設立 | 定款の作成(介護の事業を目的に入れる)。登記は司法書士 |
| 指定を受ける | 通所介護(デイサービス)・訪問介護・居宅介護支援などの指定申請 | 人員・設備・運営の基準を満たすかの確認と、申請の書類の作成 |
| 開業してから | 変更の届出、加算の届出、指定の更新(6年ごと)など | 期限の管理と届出の書類の作成 |
開業までの一式を任せていただくと、ひとつの事業者とのお付き合いがまとまった規模になります。さらに、開業したあとも届出や更新が続くので、顧問のお付き合いにつながりやすい分野です。
取り組むなら、制度を深く知ること
デイサービスの開業の本を書くにあたって、介護保険の制度に関する厚生労働省の資料を、少なくとも5,000ページは読み直しました。審議会の配布資料だけでなく、議事録も、研究事業の報告書も読みました。どんな議論を経て制度が変わってきたのかがわかると、次の改正の方向も見えてきます。
運営者 齋藤(東京・銀座)介護の事業は、人員・設備・運営の基準が細かく、守れていないと、指定の取消しや報酬の返還につながることもあります。開業を支援する行政書士が、基準を正しく理解していることが、何より大切です。
- 介護報酬は3年ごとに改定される:単位数や加算の要件が変わります。事業計画の数字も、改定のたびに見直します。
- 指定の基準は、自治体ごとの取扱いがある:面積の測り方、兼務の可否など、指定を出す自治体の手引きと事前の相談が欠かせません。
- 地域区分で1単位の単価が変わる:同じサービスでも、事業所の所在地によって報酬の単価が違います。
開業する方に喜ばれる支援
- 物件探しの段階からの相談:契約してから基準に合わないとわかると、取り返しがつきません。物件を決める前に、面積・設備・用途の確認を一緒に行います。
- 開業の日から逆算した計画:指定の申請の締切は自治体ごとに決まっていて、毎月1日の指定の場合、前々月までの申請が必要なことが多くあります。法人の設立から逆算して、日程を組みます。
- 他士業との連携:人の雇い入れと社会保険は社会保険労務士、会計と税務は税理士、登記は司法書士に。窓口として、信頼できる専門家につなぎます。
デイサービスの開業の実務を、もっと知りたい方に
法人の設立、指定申請、事業計画書までの流れは、運営者の齋藤の著書『お年寄りが笑顔になる!地域密着デイサービスのはじめ方』(ナツメ社)にもまとめています。行政書士の視点で書いた、デイサービスの開業の本です。
※制度や手数料などは変わることがあります。手続きの最新の内容は、各機関の公式の情報でご確認ください。


