小さな業務も仕事になる
行政書士の業務は幅広く、「この業務で食べていけますか」「割に合わない業務ですよね」とよく聞かれます。けれども、独立した行政書士は、値付けも受け方も、お客様の選び方も自分で決められます。割に合わないのは業務そのものではなく、受け方であることが多いのです。
Key pointsこの記事の要点
- 内容証明は、行政書士が業として作れる書類。困っている人は確実にいる
- 値付け・受け方・対象のしぼり方で、小さな業務も割に合う仕事になる
- 小さなご依頼は、次の相談の入口にもなる
- 争いのある事件の交渉・代理はしない。こじれる案件は弁護士へ
内容証明は、業務になるのか
内容証明郵便の文書は、権利義務や事実証明に関する書類として、行政書士が業として作成できる書類です。たとえば、次のような場面で使われます。
- クーリング・オフや、契約の途中解約の通知
- 貸したお金や、売掛金の支払いの請求
- 契約の解除や、更新しない旨の通知
1件の報酬は大きくありません。ただ、困っている方は確実にいて、インターネットで「内容証明 作成」と探す人も多い業務です。
割に合う業務にする考え方
- 値付けを自分で決める作業の時間とリスクから、報酬を逆算して決めます。安い相場に合わせる必要はありません。
- 受け方を決める書式をそろえ、聞き取りの項目を決め、メールや面談の手順を決めておくと、1件あたりの時間は大きく減ります。
- 対象をしぼる「事業者の売掛金の請求」「賃貸の契約の通知」など、得意な場面にしぼると、文案の質も上がり、選ばれやすくなります。
- 次の業務の入口にする小さなご依頼でも、ていねいに対応したお客様は、別の手続きでまた相談してくださいます。
決められた仕事を決められた時給でこなす勤め人と違い、独立した行政書士は、仕事の受け方の主導権を持っています。自分で割に合わない設定をしていないか、ふり返ってみましょう。
紛争に入り込まない
内容証明のように相手のある書類では、とくに業際に気をつけます。
- 相手との交渉や代理はしない:争いのある事件で、報酬を得て相手と交渉したり、代理人として法律の事務を行ったりできるのは弁護士だけです(弁護士法第72条)。行政書士は、ご本人の名前で出す書類の作成にとどめます。
- 差出人に行政書士の名前を入れるかは慎重に:相手からの反論に対応できない以上、交渉の窓口になるような書き方は避けます。
- 争いがある・こじれそうな場合は弁護士へ:最初の相談の段階で見極め、弁護士を紹介します。
※制度や手数料などは変わることがあります。手続きの最新の内容は、各機関の公式の情報でご確認ください。


