01開業の準備

行政書士の開業時にそろえる備品と道具

渡邉 徳人津田 拓也齋藤 史洋執筆現役の行政書士3人最終更新日読む時間約3分

開業の準備で意外とお金と時間がかかるのが、事務所の備品です。何を買えばよいか、どこにお金をかけ、どこを節約してよいかを、実際にそろえた例をもとにまとめました。

Key pointsこの記事の要点

  • 複合機は A3 対応・性能のよいものを。印刷の量は想像以上に多い
  • 依頼人の書類を預かる、鍵のかかる保管場所を必ず用意する
  • 会計はクラウド会計、様式は PDF の編集ソフトで手間を減らす
  • マイナンバーカード・GビズID・電子定款の準備など、電子申請の準備を早めに
  • 電話の取り次ぎやフォーム・LINE で、お問い合わせを取りこぼさない

まずそろえる備品と、費用のめやす

自宅兼事務所で1人で開業した方が、実際にそろえたものの例です(当時の金額)。

備品めやす選ぶときのポイント
パソコン10万〜15万円画面の大きいデスクトップか、外部モニターをつないだノートパソコン。申請書の作成やホームページの更新がはかどります
複合機(印刷・コピー・スキャン)3万〜5万円A3まで対応しているものを。開業すると印刷の量は想像以上に多く、ここを安くすると後悔しがちです
電話数千円〜固定の番号(光電話・IP電話)があると信用につながります。子機つきが便利
事務机・いす2万〜5万円書類がすぐ山になるので、幅120cm・奥行き60cm以上がおすすめ
応接セット3万〜5万円お客様は応接のまわりしか見ていません。高いものでなくてよいので、事務所の雰囲気とそろえて
職印・ゴム印・名刺・封筒1万〜3万円職印は行政書士会の決まり(大きさ・刻む文字)を確かめてから作ります
書棚・鍵のかかる保管庫1万〜3万円依頼人の書類を預かるので、鍵のかかる保管場所は必ず用意します

FAX は使う場面が減りましたが、役所や取引先によってはまだ使われています。複合機の FAX 機能か、インターネットで送受信できる FAX サービスがあれば十分です。

仕事を楽にする道具

1人で開業すると、実務も経理も集客も、すべて自分でこなすことになります。道具で減らせる手間は、最初から減らしておきましょう。

会計はクラウド会計で

銀行口座やクレジットカードとつなぐと、取引が自動で取り込まれ、記帳の手間が大きく減ります。開業したばかりで税理士に頼む余裕がなくても、日々の記帳と確定申告の準備は自分でできます。売上が増えてきたら、税理士に相談する形がおすすめです。

PDF の編集ソフト

役所の様式は PDF で公開されていることが多く、手書きより、直接書き込んで印刷するほうが速くてきれいです。ページの入れ替えや結合ができるソフトが一つあると便利です。

メールの文面とファイルの共有

よく使うメールの返信は、ひな形として保存し、資料はクラウドにまとめてスタッフと共有していました。一から文面を作ることがほとんどなくなり、誰が返信しても同じ内容で答えられるようになりました。1通の返信も使い捨てにせず、事務所の資産として積み上げていくと、作業の時間は目に見えて減ります。

運営者 渡邉

ただし、行政書士には守秘義務があります。依頼人の情報を置くクラウドのサービスは、アクセスの制限や二段階認証の設定を確かめてから使いましょう。

セキュリティ対策ソフト

依頼人の個人情報を扱う仕事です。ウイルス対策のソフトを入れ、パソコンとスマートフォンには必ず画面のロックをかけます。軽い動作のものを選ぶと、書類作りの邪魔になりません。

電子申請の準備

許認可や会社の手続きは、電子申請が当たり前になってきました。開業のときに、次の準備をしておくと、業務の幅が広がります。

  • マイナンバーカードと IC カードリーダー(スマートフォンで読み取れる場合もあります)
  • GビズID(法人・個人事業主向けの共通の認証。補助金の申請や建設業の電子申請などで使います)
  • 電子定款を作る準備:電子署名のための電子証明書(行政書士の電子証明書またはマイナンバーカード)と、PDF に署名するソフト
  • 扱う業務の電子申請システムへの登録(建設業許可の JCIP、法務省の登記・供託オンライン申請システム、入管の在留申請オンラインシステムなど)

システムごとに、利用の申込みから使えるようになるまで時間がかかるものもあります。扱う業務が決まったら、早めに準備を始めましょう。

電話を取りこぼさない工夫

ホームページや広告でせっかくお問い合わせが来ても、電話に出られなければご依頼にはつながりません。1人で開業すると、面談中や移動中は電話に出られないことも多くなります。

開業して1年ほどは、電話の取り次ぎ(秘書代行)のサービスを使っていました。名前と用件を聞いておいてくれるので、空いた時間に落ち着いて折り返せます。騒がしい場所で携帯電話に出るより、お客様にも安心していただけますし、こちらも面談中に電話を気にしなくて済みます。月1万円ほどで、取りこぼしがなくなるなら十分に元が取れました。

運営者 渡邉

最近は、メールやお問い合わせフォーム、LINE などで相談を受ける事務所も増えています。電話に出られない時間があるなら、ほかの連絡方法をホームページで目立たせておくのも一つの方法です。

※制度や手数料などは変わることがあります。手続きの最新の内容は、各機関の公式の情報でご確認ください。

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