03実務・面談・報酬

報酬額の決め方

渡邉 徳人津田 拓也齋藤 史洋執筆現役の行政書士3人最終更新日読む時間約3分

「自分のサービスを、いくらで売ればいいのかわからない」。開業したばかりの方の多くが悩むところです。値付けは、事務所を長く続けられるかどうかを左右します。安さだけで決めないための考え方をまとめました。

Key pointsこの記事の要点

  • ほかの事務所の安い料金を参考にしすぎない。利益のない経営は、結局お客様に迷惑をかける
  • 時間・自分の単価・責任とリスクから組み立て、実費は分けて示す
  • 経験のない業務は、調べる時間と費用を含めて、むしろしっかりいただく
  • 値引きしない・専門性・選ばれる理由・料金の明示で、高く売れる事務所に
  • 報酬額の掲示と、見積書・契約書での説明を忘れない

ほかの事務所の料金を参考にしすぎない

値付けに迷うと、ほかの事務所のホームページや、地元の先生の料金を参考にしたくなります。ただし、参考にしすぎないことをおすすめします。かなり安い金額で引き受けている事務所が、少なくないからです。

お客様に安く提供することが良いことで、高い報酬は悪いこと、と考えている方もいます。もちろん不当な請求はいけませんが、利益の出ない経営は、長い目で見ると、対応の質の低下や事務所の廃業という形で、お客様に迷惑をかけることにつながります。

値付けの組み立て方

  1. かかる時間を見積もる相談・聞き取り・書類の収集・作成・役所とのやりとり・補正の対応まで、全部の時間を見積もります。
  2. 自分の時間の単価を決める年に必要な売上(年収・売上の現実を参照)を、実際に業務に使える時間で割って、1時間あたりの単価を出します。
  3. 責任とリスクを上乗せする許可が取れないと事業が止まる業務、期限の厳しい業務、要件の判断が難しい業務は、その分の責任を報酬に含めます。
  4. 報酬に含むものと、実費を分ける申請の手数料・証紙・証明書の代金・交通費などの実費は、報酬と分けて示します。

経験のない業務の見積り

やったことのない業務の見積りを頼まれることは、よくあります。「自信がないから、安くしておこう」と考えがちですが、運営者の考えは逆です。

迷ったら、相場の1.2倍ほどをいただいておくくらいでちょうどいいと考えています。初めての業務でも、プロとして引き受ける以上、致命的なミスは許されません。専門書を買い、法令を調べ、役所に確かめる時間とお金がかかります。その分を報酬に含めておかないと、十分な準備ができません。

運営者 渡邉

経験のない業務ほど、調べる時間がかかります。その時間も、自分の労働として報酬に含めておきましょう。

高く売れる事務所になるために

  • 意味のない値引きはしないと決める:開業したばかりは、目の前の仕事がほしくなります。けれども、値切られて下げると、正規の料金を払ってくださったお客様に申し訳が立ちません。
  • 専門性を高める:専門性の高い業務は、価格の競争に巻き込まれにくく、値崩れしません。
  • 選ばれる理由を伝える:対応の速さ、経験、わかりやすい説明、アフターフォローなど、価格以外の理由をホームページや面談で示します。
  • 料金をはっきり示す:何が含まれていて、追加で何がかかるかを明示すると、高い料金でも安心して依頼していただけます。

報酬額の掲示と説明

行政書士は、事務所の見やすい場所に報酬額を掲示しなければなりません(行政書士法第10条の2)。ホームページの料金表とあわせて、事務所の掲示も整えておきましょう。ご依頼を受けるときは、見積書や受任の契約書で、報酬と実費、支払いの時期をはっきりさせておくと、あとのトラブルを防げます。

※制度や手数料などは変わることがあります。手続きの最新の内容は、各機関の公式の情報でご確認ください。

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