開業時の業務選択(その2)・業務の選択には主体的な発想が必要:コラム第105回。

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コラム第105回:開業時の業務選択(その2)・業務の選択には主体的な発想が必要

前回に引き続き、行政書士の齋藤先生に登場してもらい「開業時の業務選択」というテーマでお送りします。

銀座に事務所を構えている齋藤先生は、開業7年目。公益法人制度実務の専門家。日本でも指折りです。全国、引く手数多で活躍されています。

ブログ→知って得した起業・独立で法人をつくる話

ホームページ→一般財団法人設立支援.com

全2回。前回から引き続き、今回は第2回目。「開業時の業務選択(その2)・業務の選択には主体的な発想が必要」です。

では、さっそく参りましょう。

ビジネスとして成り立たせるためには、どのような行動を起こすべきなのか?

業務の選択の際には「自分がやりたいこと」を素直に取り扱い業務すればいいと前回お伝えしました。

開業時の業務選択(その1)・何を基準に選ぶべきか?

そういうアドバイスをすると

「自分のやりたい分野がビジネスとして成り立つ(儲かる)とは限らないですよね?」

「どうすればいいでしょうか?」

こういう質問を受けます。

私からの回答は、

「あなたのやりたいことがビジネスとして成り立つかどうかは、誰にも分かりません」

「でも、あなたが本気でやりたいことなら、ビジネスとして成り立つように一生懸命努力すればいいんじゃないですか」

です。

本気でやりたい業務が明確になっているなら、その後にやるべきことは決まっています。

仕組み作りに投資するだけです。

専門特化して選ばれる行政書士になる方法は詳しく説明しました。

行政書士の開業に必要な発想は「それがビジネスとして成り立つのか?」という他力本願の発想ではありません。

「ビジネスとして成り立たせるためには、自分はどのような行動を起こすべきなのか?」

という主体的な発想が必要です。

ビジネスは「成り立たせる」ものです。

他人が保証したレールの上を進むわけではありません。

自分で道を切り開いて進むことになります。

行政書士開業者は、上司から仕事が与えられて粛々とそれをこなすサラリーマンではありません。

自分の頭で考えてリスクを取ってチャレンジするしか成功の道はありません。

そうであるにもかかわらず、

・これをやれば儲かる
・これが正解

みたいな回答を求めてる開業予備軍・新人さんが多過ぎるように感じます。

確かに、不安な気持ちは分かります。

「自分は○○をやってみたいけど、だれもやってもいないような分野をやって成功するのだろうか?」って不安になりますよね。

自分のやりたい分野の市場を冷静に分析した結果、

「競合は存在しないが、そもそも市場が未発達なためサービスを認知させるためにコストがかかりすぎる」

とか、

「今の自分の手持ちの資源(経験・ノウハウ・資金・マンパワー等)では、競合に勝てない」

こういう結論もあり得ると思います。

このような冷静な判断が出来たならば、その判断ができたこと自体はまず評価すべきことです。

自ら負け戦を仕掛けて自滅する開業者も少なくないからです。

新規性のある分野の場合、そもそもサービスが市場に認知されていないこともあります。

集客の仕組みを作ったり、一定の実務経験を積むには時間がかかるのは当然です。

その場合は、行政書士書式フルセットのような既存のパッケージを購入して、メジャーな業務をマスターして最低限の売上を確保する。

今の新人さんはそういう最低限の売上を確保する手段もあります。

行政書士書式フルセットがなぜ新人さんに売れているのかというと、

(1)行政書士業務として既に十分市場に認知されている業務であること

(2)整備された書式であるため実務経験も不要であること

この2点があるからです。

行政書士業務として確立していない新しい分野の場合、そもそもビジネスとして成立しない危険性もあります(市場のライフサイクルが初期の場合)。

既に市場が形成されている分野ならばそのようなリスクはありません。

市場が未発達な分野に取り組むよりも、行政書士書式フルセットにあるようなメジャーな分野(市場がある程度成熟した分野)に取り組んだ方が早く簡単に売り上げが作れます。

また、新人行政書士の致命的な弱点は「実務能力がゼロ」という点です。

行政書士試験で問われる内容は、実務とは直接的な関係がありません。

そのため、開業直後の新人は手持ち商品(提供できるサービス)が無いのです。

行政書士書式フルセットは素人でも使えるように整備された書式ですから、実務経験も不要です。

私が開業した昔とは違って、今の時代はそういう最低限の売上確保の手段があるのだから、多少時間がかかっても、本当にやりたい業務の仕組み作りに取り組めばいいと思います。

物事には順番があります。

開業してすぐに本当にやりたい分野に取り組めるとは限りません。

しかし、本当に行政書士としてやりたいことが明確ならば、それでもいいのです。

集客の仕組みを作って実務経験を積めば、本当にやりたい業務を柱にして事務所経営が成り立つように自然となるからです。

ただし、そうなるまでの期間が短い人もいれば長い人もいます。

だからこそ、その期間を支える売上を確保する手段としては行政書士向け書式集を上手く使えばいいと思います。

ちなみに、私が開業した当初6年前は、最低限の売上を確保するための行政書士書式フルセットのような整備されたパッケージはありませんでした。

そのため、自分がやりたい業務で開業からいきなり必要な売上を立てるために、とにかく先行投資して・とにかくリスクを取って必死にチャレンジするしかありませんでした。

当然、行政書士登録をする前からWEBでの仕組み作りにも投資してきました。

開業当初は家に帰る時間ももったいなくて、寝袋を買って事務所に寝泊まりして仕事をしてました。

今冷静に振り返ってみれば家に帰って寝た方が合理的な行動だったのかもしれませんが、当時はそれ位必死だったということです。

お風呂は事務所から徒歩1分の銭湯を使ってました。笑

(私の事務所からは徒歩5分の銀座公証役場に行くよりも、銭湯の方が近いです)

そんな私の開業当初の時代に比べれば、今の新人さんの開業をサポートするサービスや環境は整っています。

ローリスクで最低限の売上を生み出す書式集も充実しているし、集客のためのWEBサービスも洗練されてます。

リスクを取れるか?チャレンジできるか?出来ない人は開業に向かない。

あとは自分の頭で考えた上でリスクを取ってチャレンジする心・投資する心があるかどうかです。

当然のことですが、リスクを取ってチャレンジする前提として

「自分は行政書士として何をやりたいのか?」

これが明確になっている必要があることは言うまでもありません。

(参考:経営を安定させるためにこそ理念が重要。

なお、どの世代にも、自分の頭で考えてリスクを取ってチャレンジすることができない人がいらっしゃいます。

だれかに「これをやれば儲かる」「これが正解」と保証してもらわないと行動できないタイプの人です。

最近の若い新人さんだけでなく、私よりも遥かに年上の新人さんにもそういうタイプの方がいらっしゃいますから、「ゆとり教育の弊害」ではないと思います。

自分の頭で考えてリスクを取ってチャレンジすることができない人は、正直、開業には向かないです。

そういうタイプの新人さんは、アドバイスをしても色々言い訳して実践しないし、必要な投資もしません。

そのような消極的な姿勢で行政書士をやってたら上手くいくはずのことだって上手くいくはずもありません。

新人さんからご相談を受けてみると、

本来は開業すべきではないタイプの人が残念ながら予備校の口車に乗せられてしまって、

一定数、誤って開業してしまっているように感じます。

本来は開業すべきではないタイプの人が誤って開業してしまったことに気が付いたら、資金を浪費する前に、速やかに行政書士を廃業した方がいいと思います。

資金を浪費しなければ、どこか別な場面で再起を図ることもできるからです。

行政書士会の登録被費用30万はドブに捨てることになりますが、年間の広告費よりははるかに安い費用です。

適切なタイミングで勇気ある「損切り」の決断ができるかどうか、これも経営者として重要な能力だと思います。

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