行政書士賠償責任補償制度について考察する

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コラム第176回:行政書士賠償責任補償制度について考察する

皆さんは行政書士賠償責任補償制度をご存知ですか?

簡単に言うと業務でミスをしてしまい顧客に損害を与えた場合に、保険金から補償しますという制度です。保険です、保険。

我々行政書士はプロですから、業務上のミスなど許されません。ましてや信頼して依頼をしてくれた顧客に損害を与えてしまうことはできません。その損害が顧客やその従業員の人生を左右することだってあるのです。

その緊張感を常に持ち続け、プロとして完璧な仕事を心がけなければなりません。自己研鑽と細心の注意を払うことを忘れてはいけないのです

その一方で、我々行政書士もプロとはいえ、人間です。うっかりミスや手続きの忘失など、100%絶対にないとは言い切れません。

そのような際に少なくとも顧客には経済的な損失を与えないよう、賠償保険には加入しておくべきなのです。

もちろん事務所経営上も安心感が増すでしょう。突然1億円もの損害賠償請求されたどうしますか?

また、自分は完璧に仕事をこなしたとしても、補助者や従業員がミスをしたら?

所長の立場で「自分は悪くない」「自分は知らなかった」なんて言い訳は通りませんし、従業員だって安月給でそんなに責任だけ重い仕事オチオチやってられません。

顧客の為にも、事務所従業員の為にも、そして何よりご自身とのご自身の事務所の為にも加入をお勧めします。

詳細 → http://www.zengyodan.co.jp/_files/2017/hoken/gyo_bai.pdf

尚、私は行政書士事務所経営15年程度になりますが、一度もこの賠償保険を使ったこと自体はありません。が、これから何があるかわからないですし、建設業分野の業務をメインとしているため、顧客保護の観点から「A型」の1請求1億円まで補償される保険に加入しております。

実際のどのように保険適用になるのか?

保険なんて使うことがないならそれに越したことはありません。しかしいざという時に「使えません」ではただの支払い損です。

そこで担当者に適用条件の確認をしてみました。

1.まずは適用になるかどうかの審査がなされます。

  • 行政書士業務に該当するか
  • 免責事項でないか

2.正式に依頼があったかどうかの確認

その依頼についての委任状や契約書が必要ではあるということです。

ただ、商習慣のようなもの(前年もその前も依頼されていたとか)、メールでのやり取りがあったとか、そのようなもので考慮されることもあるとのことでした。

とはいえ、やはり契約・受任に関する運営書式はしっかりと整備しておきたいものですね。

3.賠償額の算定は?

賠償額の算定については「まずは請求ありき」だそうです。

相手方から損害を請求されてからの話になります。この請求は必ずしも裁判上の請求である必要はなく、たとえ口頭であっても構いません。

そして請求額については、例えば許可や更新の忘失で生じた損害ならば「空白期間中の逸失利益の純利益」となります。

会計年度の決算書や工事経歴書などから相手方の税理士などに試算してもらうことになります。それは保険屋さん側ではしないそうです。損害を受けた側に損害額を客観的書類で揃えて出してもらうということですね。

尚、迷惑をかけたからといって報酬を返金したとしても、報酬の返金は保険対象になりません。

最後に、行政書士賠償責任補償は単に加入するだけではなく、委任・契約があったことを証明する書類をきちんと揃えておく必要があることを繰り返しておきます。

そもそもの顧客トラブルを防ぐために、また報酬の取りっぱぐれを防ぐためにも運営書式の完備は必須です。

是非こちらも事務所運営にお役立てください。

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